『自粛とふ 日を重ね来て 夏つばめ』 *とふ=という
「Stay home」も、はや3ヶ月。ウォーキングコースの元荒川と遊水池周辺では、アヤメが満開になり、紫陽花も一斉に花をつけ始めている。梅雨入りで燕が低く飛ぶようになった。夕暮れ時に人気の少ない川辺を歩いていると、誰かに電話をしたくなる。長い自粛生活で人恋しくなっているのだろうか。人並みにZoomやLineを使った会議や友人たちとの雑談会などもやっているが、心の中に何かもやもやしたものが、澱のように溜まって来たような気もする。
大人でもこうなのだから、いまコロナショックで世界に漂う重い空気は、子どもたちの心にも少なからぬ影響を及ぼしているのではないか。私には、1歳から16歳まで7人の孫(男児3人、女児4人)がいるが、彼らもまた、コロナショックの「非日常」の中でけなげに頑張っている。今や、彼らともネットでしかつながらなくなっているが、その成長ぶりに癒やされても来た。間接的でしかないが、私の目に触れた範囲で、この数ヶ月の孫たちの成長を書いておきたい。
◆幼き孫たちのコロナショック①埼玉
娘のところの長男K君(3歳)は、今年4月から幼稚園に通う予定だったが、入園式は延期。一時は咳が続いてヒヤヒヤしたが、何事もなく済んだ。車で40分ほどの同じ県内に住んでいるので、月に1,2回は泊まりに来ていたが、「コロナだから行けないの」と言っている。外出制限のストレスからか、怒りっぽくなって娘も悩んでいたが、テレワークの旦那さんが、外に連れ出すようになって落ち着いてきた。6月に入って幼稚園も始まり、楽しく通っているそうだ。前は車だったが、最近では恐竜にはまっているという。
下のKotoちゃん(女児)は、この3月末が1歳の誕生日だったが、コロナ騒ぎで誕生日会は先方だけでやった。この数ヶ月でつかまり立ちから、よちよち歩きをするようになった。少なかった髪の毛も伸びてきて、女の子らしくなり、表情も豊かで、娘に言わせるとこちらの言うことは大体理解するようになったそうだ。2人とはほぼ毎日Lineで会話しているが、その成長ぶりが嬉しい。K君の幼稚園は、給食も始まったそうだ。旦那さんもそろそろと都内通勤を始めたが、先方は3世代同居なので、まだまだ油断は出来ない。
◆幼き孫たちのコロナショック②NY
NYのブルックリンに住む次男一家は、長男のK君(12歳)を頭に、長女Kちゃん(10歳)、次男Sちゃん(5歳)の3人。3月から外出制限が出て、上2人は学校から支給されたPCでリモート授業を受けている。バレエを勉強しているK君は去年の年末から年始にかけてNYシティバレエの「白鳥の湖」に出演したが、現在は以前も習っていたダンスに精を出している。彼らも、月に何度か、息抜きのために車で人の少ない郊外の緑地に出かけ、K君のダンスを撮影して、もう6回もYouTubeにアップしている。さすが、キレキレで見ていて気持ちいい(KenseiTV)。
9月からK君は、第一志望だったNYのPPAS(Professional Performing Arts School)に通うことになっている。長女のKちゃんは、ファッション系に行くんじゃないかなどと密かに思っているが、最近の写真はまるでモデル。目力の強い子だ。一頃は地図や惑星にはまっていた次男のS君だが、最近はどうなのだろう。奥さんは、NYのコロナ事情、そして最近は差別への抗議デモBLMの情報を積極的にFBにあげ続けているが、先日は、家族でBLMのファミリーマーチに参加してきたそうだ。皆、個性を伸ばしながら頑張っている。
◆幼き孫たちのコロナショック③神奈川
長男のところは、16歳(高2)と15歳(中3)の2人の女の子だ。ともに休校になっている。この正月も塾が忙しいとかで会えなかったので、どうしているだろうかと思っていたら、思わぬ長文のメールを長女から貰って嬉しくなった。カミさんが私の書いているコラムを、時間があったら読んでみてと、奥さんにメールしたら、あっという間に4,5本を読んで感想文を送ってきたのである。以下はその内容だが、(うれしさの余り)彼女に内緒でアップする。
『こんにちは!お久しぶりです
メディアの風を読んでみました!
最初はこんな長い文読むのは(大変失礼なのですが)億劫でめんどくさいな!と思っていました。しかし読み始めてみると色々な切り口でコロナに関することが書いてあり新鮮で面白く、いつの間にか読み終わってしまいました。少しだけ感想を送らせてください。
コロナに関してのニュースはたまに見るのですがメディアの風にあるようなこと(例えば症状によってなされる対処がそれぞれ違う、などです。これに関しては今まではどんな症状であれアビガンなど効果があると思われている薬を投与し、改善するまで大人しく寝ていれば治る、と勝手に思っていたので眼から鱗でした。)を読んでみてコロナの知識をより深めることができました。
また、メディアの風を読んでみて思ったことなど、色々考えてみました。
まず一つ目は文中にあった国民の心に響くメッセージを発して国民の心を掴んでいる(なぜか女性たち)という文に関してです。この括弧の中の『なぜか女性たち』という疑問について少し考えてみました。きっと理由はこれだけではないし、あくまでもまだまだ未熟な人間である私が自分なりに考えたものなので見当違いなことを言っているのかもしれませんがそうであったとしたら未熟者め、と見逃してやってください。
なぜか女性たちである理由。それはこの世の中にまだ偏見が残っているから、だと思いました。何言ってるんだと、自分でも思っています。しかし、やっぱり見逃してください。この世の中、まだまだ女性に対する偏見はどの国にも残っていると思います。仕事をするのは男性で女性は家庭のことをやっていろ、と。しかしそんな偏見がある中、政治家として偉い立場に選ばれるということはその偏見を跳ね返すくらいの実力があるから、だと考えました。今の日本のように親があの人だから…とかではなく。
それと、メディアの風のなかに若者の危機意識、とありましたが、若者から言わせていただきますと割と危機意識はあると思うのです。(これは私の周りだけかもしれませんが友達と話すときちんと危機意識を持っているのでした。)若者の中にはまあ、そう言ったものをなんとも思わない人はいると思いますが極々一部であり、そう言った人はどの年代にもいると思うのです。ただ、なぜ若者が持ってないなど特に言われるか、それはやはりメディアなど、テレビの影響ではないだろうか、も思いました。
ある日、SNSに「私はコロナにかからないと思うから大丈夫」的な発言をテレビのインタビューでしている人の画像が出回りました。こんな人もいるものなのか、と思って数日過ごしているとある情報がSNSで出回りました。それはそのインタビューを受けた人の近くにいた人からの情報でした。その情報というのは「あのインタビューはしつこく誘導されてやっと出た発言であり、あの発言を引き出すのが目的であるかのように発言を聞いた途端満足そうに帰っていった。インタビューをしていた人はマスクもしていなかった。されていた人はきちんとしていたのに」という内容でした。真偽は確かではありませんがメディアが若者の危機感不足を誇張しているのは確かだと思っています。
最後になりますが自粛期間でなかなか外に出れず憂鬱で不健康な日々が続きますがお身体を大事に楽しく過ごしましょう!!ながながと失礼しました!』
◆この日々に、君たちは毎日何を思う?
う~む、自分の頭で考えた女性リーダーとかメディアへの疑問など。いつの間にか、随分と成長しているなあ。NYの次男の奥さんが「この日々に、君たちは毎日何を思う?」と印象的な写真をFBに載せている。3人の子どもたちが、広い公園で(コロナ感染防止のために)パラパラと離れて座る家族を眺めている。この大変な異常事態も、子どもたちの心に何か大事なものを残してくれることを祈りたい。
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